遺産分割協議の前提として成年後見の申立てを

相続登記を行う場合、その不動産の名義変更が法定相続分や遺言によるものでないときは、相続人のうち誰がどの不動産を取得するかを決定するために相続人全員による「遺産分割協議」が必要となります(不動産以外についても遺産分割協議が必要となることは、原則として同様です)。

遺産分割協議は法律行為であり、法律行為を行うには意思能力(有効な法律行為をなすための判断能力)が必要となります。

相続人の中に認知症、知的障害、精神障害などのために意思表示ができない方がいる場合は、その方を含む相続人全員で協議を行ったとしても無効となるため、事実上、遺産分割協議ができないこととなり、相続登記も申請することができません

他の相続人による代理出席、代筆等によるものも無効です。

相続人の中に上記に該当する方がいる場合は、法定後見制度(程度により 1.成年後見、2.保佐、3.補助 の3類型)を利用することにより、(1. の成年後見の場合は)家庭裁判所から選任された成年後見人が成年被後見人(成年後見人を付された本人)に代わって遺産分割協議に参加することができ、相続登記も申請することができるようになります。

相続登記を依頼される場合は、原則として遺産分割協議が済んだ後に、不動産を取得する相続人の方が依頼者となって相談に来られることになりますが、その際は、適法な遺産分割協議を行ったうえでご相談くださいますようお願いいたします。

遺産分割協議前であっても相談に応じることはできますが、相続人の中に意思表示をすることができない方や困難な方がいる場合で、法定後見の制度を利用されていないときは、「相続登記業務」のご依頼はお断りさせていただきます。また、協議の段取り、他の相続人との媒介・交渉、分割内容の策定等の依頼は受けることがきません。

なお、相続人間で適法に確定させた遺産分割協議にかかる協議書の作成は、相続登記業務の一環として当事務所にて承ります。

また、遺産分割協議の前提として成年後見の申立てをご検討の際は、申立書類の作成(相続登記とは別業務)も承ることができますのでご相談ください。