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新戸籍や他の戸籍に移記されない事項

司法書士は、相続登記をはじめとする相続手続業務を受任すると相続財産調査とともに相続人調査を行います。

「相続人は私達だけです。そんな分かりきったことをなぜ調べるんですか?」と言われそうですが、遺産分割協議は相続人全員で行わなければ無効になるところ、被相続人に養子がいたり、認知した子がいた場合は、その子も相続人ですので除外するわけにはいかないからです(注)。

そのために、被相続人の出生から死亡まで戸籍・除籍・改製原戸籍謄本の全部を取得して確認する必要があり、手続先の各機関からもその提出を求められます(法定相続情報一覧図を提出することもできますが、一覧図を作成する際に法務局に戸籍等を提出します。)。

もう少し詳しく説明します。

婚姻や他の市区町村への転籍、分籍などによって新しい戸籍が編成される際や離婚等に伴って別戸籍になった子が親の戸籍に入籍するなどの際に、従前の戸籍に記載されていた事項には、移記されるものとされないものがあります。

認知された子又は養子の戸籍においては、新戸籍の編成や他の戸籍への入籍があった場合、認知に関する事項又は養子縁組に関する事項(離縁しないで継続している場合に限ります。)は移記されるので、現在の戸籍でもそのことを確認することができます。

認知した父又は養親の戸籍においては、新戸籍が編成されても、認知に関する事項又は養子縁組に関する事項は移記されないので、戸籍・除籍・改製原戸籍謄本の全部を取得して調べないと、養子縁組をしているかどうか、認知をしているかどうかを確認することができません。

戸籍法施行規則(抜粋)

第39条 新戸籍を編製され、又は他の戸籍に入る者については、次の各号に掲げる事項で従前の戸籍に記載したものは、新戸籍又は他の戸籍にこれを記載しなければならない。
一 出生に関する事項
二 嫡出でない子について、認知に関する事項
三 養子について、現に養親子関係の継続するその養子縁組に関する事項
四 夫婦について、現に婚姻関係の継続するその婚姻に関する事項及び配偶者の国籍に関する事項
五 現に未成年者である者についての親権又は未成年者の後見に関する事項
六 推定相続人の廃除に関する事項でその取消しのないもの
七 日本の国籍の選択の宣言又は外国の国籍の喪失に関する事項
八 名の変更に関する事項
九 性別の取扱いの変更に関する事項
(以下省略)

上記の赤字の箇所は、認知された子又は養子については移記されますが、認知した父又は養親については移記されない旨の根拠部分です。

(注)について

民法(抜粋)

(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)
第910条 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。