相続土地国庫帰属制度

相続等によって土地の所有権又は共有持分を取得した人が、法務大臣に対して、その土地の所有権を国庫に帰属させる(土地を手放す)ことについて、承認申請することができる「相続土地国庫帰属制度(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律)」が令和5年4月27日からスタートしました。

赤のフォントの部分は、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて(令和5年2月8日付け民二第70号民事局長通達)」及び法務省HP「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」に基づく加筆です。

制度のあらまし

相続等によって土地の所有権又は共有持分を取得した人は、法務大臣に対して、その土地の所有権を国庫に帰属させる(土地を手放す)ことについて、承認申請することができます。

法務大臣は、承認の審査をするために必要と判断したときは、その職員に調査をさせることができます。

法務大臣は、承認申請された土地が、通常の管理や処分をするよりも多くの費用や労力がかかる土地として法令に規定されたものに当たらないと判断したときは、土地の所有権の国庫への帰属について承認をします。

土地の所有権の国庫への帰属の承認を受けた人が、一定の負担金を国に納付した時点で、土地の所有権が国庫に帰属します。

以下は、関連法令等です。

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行規則

令和5年2月8日付け民二第70号民事局長通達「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の施行に伴う相続土地国庫帰属手続に関する事務の取扱いについて」

法務省HP「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A」

「相続土地国庫帰属制度のご案内」(申請の手引き)(令和5年4月版)

承認申請者(申請できる人)

相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)によって土地を取得した人

土地の共有持分を相続等以外の原因によって取得した共有者(例:売買や贈与によって共有持分を取得した共有者)がいる場合でも、相続等によって共有持分を取得した共有者がいるときは、共有者の全員が共同して申請を行うことによって、この制度を利用することができます。

本制度開始(令和5年4月27日)前に相続等によって取得した土地についても、本制度の対象となります。

本人(親権者や成年後見人等の法定代理人を含む。)による申請が必要で、任意代理人(弁護士、司法書士等の士業者を含む。)による申請はすることができません。申請書には本人が実印を押印し、印鑑証明書(期限の定めはありません。承認申請書に記載した住所と異なる場合は、住所のつながりを明らかにした住民票の写し等も必要となります。)を添付する必要があります。

承認申請書類の作成代行については、親族等が行う場合を除き、承認申請書類の作成を業務として代行することができる資格者(報酬を得るか否かは関係ありません。)として、弁護士、司法書士及び行政書士に限られます。

令和4年12月27日「相続土地国庫帰属制度における専門家の活用等について」(法務省ホームページ)

相続土地国庫帰属制度における専門家の活用等については、次のとおり整理されています。

  1. 承認申請手続を行う者について国庫帰属制度における承認申請手続は、法定代理人(親権者、成年後見人等)による場合を除き、申請者が任意に選んだ第三者に申請手続の全てを依頼する手続の代理は認められません。
    そのため、法定代理人による場合を除いては、申請手続は申請者本人が行う必要があり、申請書には申請者本人の記名、押印が必要となります。
    また、承認申請に対する法務大臣の通知(承認、不承認等)は、申請者本人に対して行われます。
  2. 申請書等の作成に関する専門家の活用について
    もっとも、申請手続に関する一切のことを申請者本人が行わなければならないわけではありません。
    申請者ご自身で申請書や添付書類(以下「申請書等」という。)を作成することが難しい場合には、申請書等の作成を代行してもらうことができます。
    その場合、業務として申請書等の作成の代行をすることができるのは、専門の資格者である弁護士、司法書士及び行政書士に限られますので御注意ください。
    ※ なお、申請を検討している土地の所在や境界に不明瞭な点がある場合など、申請に先立って、土地の筆界に関する専門的知見を有する土地家屋調査士に相談することができます。
  3. 実地調査へ同行する者について
    申請者は、申請の後に、法務局担当官による実地調査における現地確認への協力を求められる場合がありますが、申請者が任意に選んだ第三者にその対応を依頼することが可能です。

承認申請書の添付書類

  1. 承認申請者が相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により承認申請に係る土地の所有権又は共有持分を取得した者であるときは、当該者であることを証する書面(当該者であることが登記記録から明らかであるときを除く。)
    承認申請者が表題部所有者又は所有権の登記名義人でない者であっても、表題部所有者又は所有権の登記名義人から相続等により申請土地の所有権を取得した者であることを証明する書面(不動産登記手続において相続等による所有権の移転の登記の登記原因を証する情報と同程度のものに限る)を提出した場合は、申請土地の所有者と判断することが可能であることから、承認申請を認めることとされています。具体的には、相続登記(又は相続人への所有権保存登記若しくは相続人に対する遺贈を原因とする所有権移転登記)の申請の際に必要となる添付情報です。なお、相続関係説明図の提出による戸籍謄本等の原本還付も相続登記の手続と同様です。
  2. 法定代理人によって承認申請をするときは、戸籍事項証明書その他その資格を証する書面
    具体的には、未成年者の親権者については戸籍謄本等、成年被後見人の成年後見人については成年後見登記事項証明書又は審判書謄本等、不在者財産管理人又は相続財産清算人については、裁判所による選任を証する決定書謄本等及び裁判所の許可を証する決定書謄本等です
  3. 承認申請者が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面(当該法人が会社法人等番号を有する法人である場合において、その会社法人等番号を承認申請書に記載したときを除く。)
    具体的には、当該法人の登記事項証明書又は代表者資格証明書です。ただし、当該法人に係る会社法人等番号を承認申請書に記載した場合は、添付が不要になります。
  4. 承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面
    承認申請に当たり、対象土地がどの位置にあり、また、当該土地の範囲がどのようなものであるかについて、承認申請者の認識を明らかにする書面の添付が必要です。具体的には、登記所備付地図等や、国土地理院が公開している地理院地図などに、承認申請者が認識している土地の位置及び範囲を示したものが必要となります。本図面を作成するに当たり、承認申請者は、自らが認識する「所有権界」による土地の範囲を示せば足り、隣接地との境界について復元測量等を実施することまでは要しません。もっとも、管轄法務局の審査に資することを目的として、あらかじめ復元測量等を実施し、その成果を資料として任意に提出することは差し支えありません。
  5. 承認申請に係る土地の形状を明らかにする写真
    承認申請に当たり、対象土地が現在どのような状況であるかを承認申請者において明らかにする写真の添付が必要です。具体的には、申請土地の全景及び近景を撮影した写真であって、上記4.の図面におけるそれらの位置関係を明らかにしたものが必要となります。なお、申請土地が広大であり、全景を1枚の写真で明らかにすることが困難である場合には、航空写真や全体の関係を明らかにした複数枚の写真によることで差し支えありません。このため、承認申請者においてドローン等により土地の全景を撮影することまでは要しないが、これらを使用して作成しても差し支えありません。
  6. 承認申請に係る土地と当該土地に隣接する土地との境界点を明らかにする写真
    承認申請に当たり、対象土地がどの境界点で隣接している土地に接しているかを承認申請者において明らかとする写真の添付が必要です。具体的には、各境界点を示すもの(境界標、ブロック塀又は道路のへり等の地物、簡易な目印等をいい、審査時及び国庫帰属時において確認可能なものである ことを要する )を明確に撮影した写真であって、上記4.図面におけるそれらの位置関係を明らかにしたものが必要となります。なお、境界点を示すものについては、承認申請後の管轄法務局における審査時及び国庫帰属時において現地の確認が可能なものである必要がありますが、境界標が存在しない場合に、隣地と境界を確定し、測量に基づく恒久性のある境界標を埋設することまでは要しない点に注意する必要があります。
  7. 承認申請に係る土地の所有権が国庫に帰属した場合には当該土地の所有権が国庫に帰属したことを原因とする国が登記権利者となる所有権の移転の登記を官庁が嘱託することを承諾したことを証する書面
    申請土地が国庫に帰属した場合には、当該土地の所有権が国に移転することとなるため、国が所有者であることを登記記録上で公示することが必要となります。このため、国庫帰属後に管理庁(財務省及び農林水産省。地方機関を含みます。)において帰属制度に基づく所有権の移転の登記嘱託をすることを承諾する書面の添付が必要となります。これは、不登令別表第73の項添付情報欄ロに規定する登記義務者の承諾を証する当該登記義務者が作成した情報となり得る書面である必要があります。具体的には、承認申請に係る土地の所有権が国庫に帰属した場合、国庫帰属後に土地を管理する国の機関によって、国の機関への所有権の移転の登記嘱託をすることを承諾する旨が記載されている必要があります。
  8. 土地の状況に関するチェックシート
  9. 承認申請者の印鑑証明書

承認申請書の提出先

承認申請書及び添付書類の提出先及び宛名は、承認申請に係る土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局(以下「管轄法務局」といいます。)の長(以下「管轄法務局長」といいます。)です。承認申請に係る隣接する2筆以上の土地の管轄法務局長が2以上あるときは、そのいずれかに対して提出すればよいこととされています。

申請窓口は、管轄法務局の本局の不動産登記部門です。支局や出張所では、承認申請の受付はできません。例えば承認申請に係る土地が福岡県内にある場合には、福岡法務局(福岡市中央区舞鶴三丁目5番25号)のみとなります。なお、本制度の相談窓口も管轄法務局(原則)の本局の不動産登記部門です。

申請は管轄法務局に出頭して行います(窓口申請)が、必ずしも承認申請者等自身が出頭して行う必要はなく、使者による提出も認められています。また、易書留等により郵送申請することもできます。なお、オンライン申請はすることができません。

審査手数料

承認申請に係る土地の一筆ごとに14,000円です。

承認申請書に収入印紙を貼り付けて納付します。

承認申請書の提出後は審査手数料が過大に納付された場合における賠償償還請求手続を除き、審査手数料の返還の手続はありません(取下げ、却下又は不承認のいずれの場合でも返還はされません。)。

帰属の承認ができない土地

どのような土地であっても手放すことができるものではなく、管理コストの国への転嫁や土地の管理をおろそかにするモラルハザードが発生するおそれを考慮して、一定の要件が設定されており、法務大臣がこの要件について審査をします。

【却下事由】申請をすることができないケース

書面調査及び実地調査の調査事項を元に記載しています(実地調査においては、特段の確認は要しないものとされている事項もあります。)。

  1. 建物がある土地
    取壊し済みの建物の登記が残っている場合は、所有者において滅失登記を申請する必要があります。
  2. 担保権や使用収益権が設定されている土地
    抵当権等の担保権、地上権・地役権(当該土地が承役地となっている場合)・賃借権等の使用及び収益を目的とする権利、農地に係る使用収益権等、入会権、経営管理権、森林組合等への森林経営委託契約等の管理や経営に関する委託契約、買戻特約の登記、処分制限の登記、譲渡担保権がこれに該当します。
  3. 他人による利用が予定されている土地(墓地、境内地、現に通路・水道用地・用悪水路・ため池の用に供されている土地)
  4. 土壌汚染対策法第2条第1項に規定する特定有害物質により汚染されている土地
    特定有害物質により汚染されていないことを証する資料(上申書)、さらには、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関等による調査報告書の提出を求められる場合があります。
  5. 境界が明らかでない土地
  6. 所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
    管轄法務局から隣接土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人に対し、申請土地と申請土地に隣接する土地(以下「隣接土地」という)との境界及び境界紛争の有無を確認するため、承認申請があった旨を記載した通知書並びに承認申請者から提出された「承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面」、「承認申請に係る土地の形状を明らかにする写真」及び「承認申請に係る土地と当該土地に隣接する土地との境界点を明らかにする写真」の写しが送付され、通知に対して異議があるか否かの確認がなされます。

【不承認事由】承認を受けることができないケース

書面調査及び実地調査の調査事項を元に記載しています(実地調査においては、特段の確認は要しないものとされている事項もあります。)。

  1. 崖(勾配が30度以上あり、かつ、高さが5メートル以上のもの)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
    実地調査において、申請土地が傾斜地である場合、社会通念に照らして「一個の崖」を認定されます。なお、申請土地が崖の一部である場合には、申請土地以外の周辺の土地を含めて「一個の崖」と認定されます。

    申請土地に令で定める基準に該当する崖がある場合は、所在する人の生命等に被害を及ぼす又は隣接土地に土砂が流れ込むことによって財産的な被害を生じさせる可能性があり、擁壁工事等を実施する必要があることが客観的に認められるかにより、当該要件の該当性を判断するものとされています。

  2. 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
    通常の管理又は処分を阻害する有体物に該当する主な事例は、以下のとおりです。
    ア 果樹園の樹木
    イ 民家、公道、線路等の付近に存在し、放置すると倒木のおそれがある枯れた樹木や枝の落下等による災害を防止するために定期的な伐採を行う必要がある樹木
    ウ 放置すると周辺の土地に侵入するおそれや森林の公益的機能の発揮に支障を生じるおそれがあるために定期的な伐採を行う必要がある竹
    エ 過去に治山事業等で施工した工作物のうち、補修等が必要なもの
    オ 建物には該当しない廃屋
    カ 放置車両
  3. 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
    管理を阻害する産業廃棄物や屋根瓦などの建築資材(いわゆるガラ)、地下にある既存建物の基礎部分やコンクリート片、現在使用されていない古い水道管、浄化槽、井戸、大きな石などが該当するものと考えられます(Q&Aより)。

    管理を阻害する有体物が地下に存しないことを証する資料(上申書)の提出を求められる場合があります。

  4. 隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地
    (1)民法第210条第1項に規定する他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)又は同条第2項に規定する事情のある土地であって、現に同条の規定による通行が妨げられているもの

    (他人の土地を通行しないと出入りできないいわゆる「袋地」でも引き取ることは)可能です。ただし、いわゆる「袋地」に出入りするための通路(他人の土地)の通行を妨害されているような場合には引き取ることはできません(Q&Aより)。

    (2)所有権に基づく使用又は収益が現に妨害されている土地(その程度が軽微で土地の通常の管理又は処分を阻害しないと認められるものを除く。)

    妨害されている土地に該当する事例は、以下のとおりです。
    ア 所有者以外の第三者に不法に占有されている、隣接地から継続的に流水がある、といった土地の使用に支障がある場合など
    イ 申請土地を特定の管理会社が管理し、管理費用が発生する土地(いわゆる別荘地)に該当する可能性がある場合であって、申請土地についても管理費用の支払を求め、管理費用を国が支払わないと申請土地の利用が阻害されるおそれが明らかであるとき
    ウ 立木を第三者に販売する契約を締結している土地であって、申請土地について第三者が立木を伐採するために土地に立ち入る可能性がある場合
  5. その他の通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地
    • 土砂の崩壊、地割れ、陥没、水又は汚液の漏出その他の土地の状況に起因する災害が発生し、又は発生するおそれがある土地であって、その災害により当該土地又はその周辺の土地に存する人の生命若しくは身体又は財産に被害が生じ、又は生ずるおそれがあり、その被害の拡大又は発生を防止するために当該土地の現状に変更を加える措置(軽微なものを 除く。)を講ずる必要があるもの
      具体的には、例えば、土砂の崩壊の危険のある土地について崩壊を防ぐために保護工事を行う必要がある場合、大きな陥没がある土地について人の落下を防ぐためにこれを埋め立てる必要がある場合、大量の水が漏出している土地について排水ポンプを設置して水を排出する必要がある場合、などが考えられます(Q&Aより)。

      本要件は、災害等の発生の可能性があり、被害の拡大又は発生を防止するために当該土地の現状に変更を加える措置(軽微なものを除く。)が必要であることについて、具体的かつ客観的な情報がある場合に限って該当するものとされています。

    • 鳥獣、病害虫その他の動物が生息する土地であって、当該動物により当該土地又はその周辺の土地に存する人の生命若しくは身体、農産物又は樹木に被害が生じ、又は生ずるおそれがあるもの(その程度が軽微で土地の通常の管理又は処分を阻害しないと認められるも のを除く。)。
      具体的には、土地の通常の管理のために、土地に生息する動物(スズメバチなど)や病害虫を駆除する必要がある土地です(Q&Aより)

      生息する動物の危険性が低い、又は危険であっても生息する数が極めて少ないなどの理由により、被害の程度や被害が生ずるおそれの程度が軽微であるような場合は、引き取ることができます。また、イノシシやクマなどが生息している土地については、具体的に人などに被害が生ずる可能性が高い場合は引き取ることができず、抽象的な可能性にとどまる場合には、引き取ることができます(Q&Aより)

      本要件は、当該動物により当該土地又はその周辺の土地に存する人の生命若しくは身体、農産物又は樹木に被害が生じ、又は生ずるおそれがあることについて、具体的な被害情報や具体的に被害が発生する客観的な情報がある場合に限って該当するものとされています。

    • 主に森林(森林法第2条第1項に規定する森林をいう。)として利用されている土地のうち、その土地が存する市町村の区域に係る市町村森林整備計画(同法第10条の5第1項に規定する市町村森林整備計画をいう。)に定められた同条第2項第3号及び第4号に掲げる事項に適合していないことにより、当該事項に適合させるために追加的に造林、間伐又は保育を実施する必要があると認められるもの
      添付書類の写真や森林簿によっても林齢が不明な場合には、承認申請者に対して林齢を確認するものとされています。

      市町村森林整備計画に適合させるため、追加的に造林、間伐又は保育を実施する必要があると認められる森林の例は、以下のとおりです。
      ア 間伐の実施を確認することができない人工林
      イ 一定の生育段階に到達するまで更新補助作業が生じる可能性がある標準伐期齢に達していない天然林

    • 所有権が国庫に帰属した後に法令の規定に基づく処分により国が通常の管理に要する費用以外の費用に係る金銭債務を負担することが確実と認められる土地
      具体的には、例えば、土地改良法第36条第1項の規定により賦課徴収される金銭(土地改良事業で整備される水利施設等の建設費用、当該事業で整備された水利施設等の利用や維持管理に係る経常的経費)が考えられます(Q&Aより)

      金銭債務の支払が発生することが確実な土地と認められる場合には、承認申請は不承認となります。

    • 法令の規定に基づく処分により承認申請者が所有者として金銭債務を負担する土地であって、所有権が国庫に帰属したことに伴い国が法令の規定により当該金銭債務を承継することとなるもの
      具体的には、例えば、土地改良法第36条第1項の規定により土地所有者に賦課された金銭債務(土地改良事業で整備される水利施設等の建設費用、当該事業で整備された水利施設等の利用や維持管理に係る経常的経費)が該当します(Q&Aより)

      金銭の支払が承継する土地と認められる場合であって、承認申請者が当該金銭債務を消滅させる意思がないときには、承認申請は不承認となります。

負担金

承認された場合、管轄法務局から①承認した旨と負担金の額を記載した通知書及び②負担金を納付するための納入告知書が送付されます。負担金を納付しなければ、最終的に土地を帰属させることができません。

承認申請者は、上記の書類を受領した日の翌日から30日以内に負担金を納付する必要があります。

  1. 宅地 面積にかかわらず、20万円  ただし、都市計画法の市街化区域又は用途地域が指定されている地域内の宅地については、面積に応じて算定。
  2. 田、畑 面積にかかわらず、20万円  ただし、①都市計画法の市街化区域又は用途地域が指定されている地域内の農地、②土地改良事業等の施行区域内の農地については、面積に応じて算定。
  3. 森林 面積に応じて算定。
  4. その他(雑種地、原野、池沼、海浜地等) 面積にかかわらず、20万円

この20万円は、国が土地を管理するための10年分の費用の相当額とされています。

承認申請を行った土地が複数でありそれぞれ隣接しているときは、隣接する二筆以上の土地のいずれもが同一の土地区分である場合、申出をすることで、それらを一筆の土地とみなして負担金を算定することができます(負担金計算の特例)。

審査完了までに要する期間

本制度が過去に例のない新しい制度であることや、制度開始当初は調査に時間を要する可能性があることから、制度開始からしばらくの間は、承認申請の受付後、半年~1年程度の期間が掛かるものと思われます(Q&Aより)。