■相続登記■

相続登記をしないとどうなる?

不動産を所有している方が亡くなられた場合は、その不動産を相続人の名義に変更する必要があります。長い間そのままにしておくと、次の相続が発生し、数次相続、代襲相続などで相続関係が複雑になったり、争いの原因になることがあります。

現在のところは、不動産登記法において相続登記に関する義務や罰則の規定こそありませんが、民法第899条の2第1項において「相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第901条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。」と規定されています。これに関して事例を示して説明しすると、仮に土地所有者の甲が亡くなり相続人をA、B、Cの兄弟姉妹3人とした場合で、この3人の遺産分割協議においてAの1人が被相続人の土地を取得すると決めたときでも、亡甲→Aの相続登記を申請する前に、Cが亡甲→持分1/3A、1/3B、1/3Cの法定相続分の相続登記をしてしまい(法定相続分の相続登記は、AやBの関与なくC1人でできてしまいます。)、さらにCが自己の持分1/3を第三者の譲渡してその持分移転登記をしてしまったとすると、Aはこの第三者に対してこの1/3の取得を対抗できない(返せと言えない)事態になってしまう、ということがあり得るのです。登記は原則として早い者勝ちなのです。

いずれにしても、相続登記はできる限り早く申請した方が良いということになります。

相続登記の種類

相続登記には遺言の有無などにより以下のとおりいくつかの種類があり、申請に至るまでの手続や申請書に添付する書類に違いがあります。是非、司法書士にお任せください。

  • 遺産分割協議(又は審判若しくは調停)による相続登記
  • 特定財産承継遺言による相続登記
  • 相続分指定遺言による相続登記
  • 法定相続分の相続登記→遺産分割を原因とする持分移転
  • 旧民法等による相続登記

相続登記の義務化について

令和3年4月21日に民法等の一部を改正する法律が成立し、令和3年4月28日に公布されました。この法律は所有者が分からない土地の問題を解消するためのもので、新不動産登記法には、いわゆる「相続登記の義務化」の規定が盛り込まれています。

相続登記の義務化の内容及び不動産登記法の主な(相続登記に関する部分)改正点は以下のとおりです。

  1. 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。
  2. 上記1.前段の登記(法定相続分の相続登記に限る。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
  3. 上記1.の所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる(以下「相続人である旨の申出」という。)。
  4. 上記1.の期間内に相続人である旨の申出をした者は、上記1.の所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。→6.の過料は科せられない。
  5. 相続人である旨の申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(上記1.の前段の登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
  6. 正当な理由がないにもかかわらず、上記1.又は2.若しくは5.の登記の申請の義務に違反した場合は、10万円以下の過料が課せられる。
  7. 上記1.及び2.の相続登記の申請の義務化に関するの規定は、新不動産登記法の当該規定の施行日前に所有権の登記名義人について相続の開始があった場合についても、適用する。このとき、上記1.については「~知った日」又は施行日のいずれか遅い日から、上記2.については「分割の日」又は施行日のいずれか遅い日から3年以内に所有権の移転の登記を申請しなければならない。
  8. 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、共同申請の原則にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる。
  9. 法定相続分の相続登記がされた後の遺産分割の登記、相続放棄の登記、遺贈の登記、特定財産承継遺言の登記は、更正登記によるものとし、登記権利者が単独で申請できるようになる予定(通達によるものと思われる。)。

相続人である旨の申出(「相続人申告登記」と呼ばれることもあります。)の規定の創設は、いわゆる相続登記の簡略化・簡素化ではありません。被相続人に相続が開始したにもかかわらず、例えば「相続人が確定できない」といった理由によりすぐには相続登記をすることができないことも想定されます。相続人である旨の申出(相続人申告登記)は、このようなときに各相続人それぞれが1.の申請期限の徒過による過料を免れることができるようにするための救済的手続及び暫定的な公示であり、その後に当該申出人が遺産分割協議によって所有権を取得した場合には、5.の申請義務を負うことになります。マスコミにおいて登記の簡略化・簡素化と報道されているのは、8.及び9.に関する内容を省略していることによる結果的誤報道だと考えられます。

この民法等の一部を改正する法律の施行期日は、原則として公布後2年以内の政令で定める日(相続登記の申請の義務化関係の改正については公布後3年、住所等変更登記の申請の義務化関係の改正については公布後5年以内の政令で定める日)とされています。

「相続登記義務化」における義務の発生から義務の履行までの流れ

 

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