特別縁故者

特別縁故者とは何ですか?

相続人が不存在(民法第951条)で、一定の手続(民法第952条〜第958条の2)を経た場合において、家庭裁判所が相当と認めるときに、

  • 被相続人と生計を同じくしていた人
  • 被相続人の療養看護に務めた人
  • その他被相続人と特別の縁故があった人

(以上は例示であり、該当性の判断は家庭裁判所の判断に委ねられます。)の請求によって、これらの人に、清算後に残存している相続財産の全部又は一部が与えられる制度です(民法第958条の3)。

補足1

特別縁故者がいない場合は、共有物の持分は他の共有者に帰属し(民法第255条)、それ以外の相続財産は国庫に帰属します(民法第959条)。つまり、共有者よりも特別縁故者が優先するということです(最判平成元年11月24日)。

補足2

相続財産を国庫に帰属させるよりも、内縁の妻や事実上の養子など法律上の配偶者や血縁者ではないものの被相続人に特別の縁故があった人に与える方が好ましいとの趣旨によって創設された規定です。