共有名義(法定相続分ではない)の相続登記

注:費用等に影響のない範囲で実際の事例とは少し変えています。

・被相続人は女性・その配偶者は被相続人よりも後に死亡している
・相続人は、子の3人と被相続人の亡配偶者
・依頼者(不動産を取得する相続人)は子の3人
・相続登記する不動産は、宅地3個・建物2個

当職から共有での取得は以下のデメリットがあるのでやめた方よい旨をアドバイスしましたが、相続人からは「そのように遺産分割したので、それでやってほしい。」とのことでした。

・共有者全員の同意がないと当該不動産の売却、土地の形状の変更、金融機関からの借入れの際の抵当権設定等ができないこと
・共有持分価格の過半数の決定でないと、当該不動産の賃貸借契約および契約解除ができないこと
・各共有者は自分の共有持分を他の共有者の承諾がなく売却することができ、その結果、相続人以外の他人と共有状態になることがあり、その他人から高い価格で共有持分の買い取りを迫られたり、逆に安い価格で売却を迫られたりする可能性があること
・共有者が亡くなった場合、何もしなくてもその配偶者を含む相続人の全員が共有者となるため、権利関係が複雑になり、当該不動産の処分がさらに難しくなること

被相続人の配偶者は既に亡くなっているため一見子の3人のみが法定相続人のように思えますが、配偶者は被相続人に相続が開始した後に亡くなっているのでその配偶者も相続人(であった人)となります。法定相続分は子3分の1ずつではなく、配偶者6分の3、子6分の1ずつです。したがいまして、3人で3分の1ずつの共有とする場合でも遺産分割協議が必要となります。

また、共有名義で相続登記は、民法第252条ただし書により代表者1名からの申請(本件では司法書士への委任)でも登記申請することができますが、その場合、申請人となった共有者にしか登記識別情報が通知されず、当該不動産を処分する際に余計な登記費用がかかってしまうことがあります。ですので、今回は全員から委任状をもらい、全員に対して本人確認・登記申請意思確認を行いました。

費用は、登録免許税(固定資産評価額の0.4%)を除いて約7.5万円でした。
※上記費用には、書類作成や登記申請代理に関する報酬の他、戸籍等収集の報酬及び市役所等に支払う実費等が含まれています。