抵当権の抹消 -弁済証書等抹消書類交付後依頼前の金融機関代表者の交代ー

注:費用等に影響のない範囲で実際の事例とは少し変えています。

・抵当権抹消の依頼者は雑貨店の経営者。お世話になっている土地家屋調査士さんから紹介いただき、アポをとって当該店舗の休みの日にお伺いしました。

・抹消する抵当権は、
①土地Aとその上の建物Aで共同担保となって設定されている㈱日本政策金融公庫の抵当権
②土地Bに設定されている同公庫の根抵当権

①の抵当権と②の根抵当権は別件なので、違う時期に送付されてきたそれぞれの封筒には、
①・・・
借用証書 ←登記申請には使用しない
弁済証書(設定時の登記済証である抵当権設定契約証書が合綴・契印されている)
抹消の委任状
国民金融公庫から㈱日本政策金融公庫に抵当権移転した際の登記識別情報通知書2通
②・・・
根抵当権解除証書(根抵当権設定契約証書が合綴・契印さている)
抹消の委任状
設定時の登記識別情報通知書1通 ←登記申請には使用しない
国民金融公庫から㈱日本政策金融公庫に根抵当権移転した際の登記識別情報通知書1通
が入っており、預かり証をお渡ししてお預かりしました。

①の抵当権の封筒が送られてきてから年度末を超えて数ヶ月経っていたこともあり、公庫の商業登記の登記情報を取得して確認したところ、やはり代表者(支店長・支配人登記あり)が交代しておりました。弁済証書や委任状は前支店長名で作成されており、出し直ししてもらう必要があるのかどうかを調べたところ、不動産登記法第17条の代理権不消滅の規定により、そのまま使えることが分かりました。

ただし、申請情報(電子申請)の記載は、以下のとおりにしました。

義務者
東京都・・・
株式会社日本政策金融公庫
(取扱店 〇〇支店)
支配人A(本件申請時の支配人 B)
会社法人番号・・・

その他事項
登記義務者の代表者Aの代表権は消滅している。代理権限を有していた時期は平成〇年〇月〇日から平成△年△月△日である。

※会社法人等番号を提供しているので、代理権限を有していた時期を示す登記事項証明書の添付は不要です。

ちなみに、本件の場合は、設定契約証書が合綴されていたり、すべて公庫側で不足なく必要事項が記載していたので、よくある司法書士による物件等の書き入れはなく、委任状への当職の事務所住所・氏名のみの書き入れで済みました。

費用は、登録免許税(不動産3個で3,000円)を除いて約2.5万円でした(抹消した担保権は2個で申請は別々となります。)。