抵当権の抹消 ー昭和12年設定の旧日本勧業銀行の抵当権ー

注:費用等に影響のない範囲で実際の事例とは少し変えています。

・抵当権抹消の依頼者は以前相続登記を依頼してくださったお客様。相続登記が完了した際に一部の土地に古い抵当権が設定されたままになっていることを説明しましたが、その時すぐには抹消の依頼はありませんでした。後日、息子に承継する前に自分の代で権利関係をきれいにしておきたいとのことで、当該抹消の依頼を受けました。

・抹消する抵当権は、
被相続人が時効取得による当該土地の所有権移転登記を受けるよりもかなり前の昭和12年に設定された旧日本勧業銀行の抵当権。
債権は 金500円
損害金 日歩2銭

債権者(抵当権者)は当時の日本勧業銀行であり、権利義務は現在のみずほ銀行が承継しています。そのため義務者が判明していますので、休眠担保権とはいえ手間のかかる不動産登記法第70条第3項後段を適用した被担保債権等の供託による抹消申請をする必要はありません。

1.まずは、みずほ銀行秋田支店に電話をして概略を伝え、FAXをしてもらった「抵当権抹消依頼書」に必要事項を記載して登記事項証明書とともに同支店に送付。

2.手数料の支払いの案内がFAXされてきたので、手数料の5,400円を指定の振込先に送金。

3.着金後、登記のために送られてきた書類は、
〇受領書と返信用封筒
〇抵当権解除証書(当方で書き入れる事項は一切なし)
〇当職あて委任状(当方で書き入れる事項は一切なし)
〇印鑑証明書(登記済証の紛失による事前通知の制度の利用のため)
〇履歴事項一部証明書(みずはコーポレート銀行が旧みずほ銀行を吸収合併した証明、みずほコーポレート銀行からみずほ銀行への商号変更の証明)
〇履歴事項一部証明書(第一勧業銀行から旧みずほ銀行への商号変更の証明)
〇登記簿抄本(第一勧業銀行の本店変更の証明)
〇登記簿謄本(勧業銀行から第一勧業銀行への商号変更、本店変更の証明)
〇区役所証明書(町名地番整理、都制実施、行政区画変更、住居表示実施の証明)
〇会社法人等番号の案内
※解除証書に記載された解除日はみずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)による旧みずほ銀行の吸収合併(H25.7.1)前の平成25年6月30日。したがって当該抵当権は合併による承継の前に解除で消滅しているので、抵当権移転登記はない。

4.申請情報の義務者の記載(オンライン申請)は、

(被合併会社 株式会社みずほ銀行)
東京都千代田区・・・
上記承継会社 株式会社みずほ銀行
代表取締役 ●●●●
会社法人等番号 ・・・

依頼者からも委任状をもらって申請。

5.秋田地方法務局大曲支局から東京の本店に事前通知。

6.登記完了後、みずほ銀行秋田支店に登記完了証の送付とともに原本還付した商号変更、本店変更等の証明書類を返却。

インタネーットでいろいろと調べてみると、司法書士が合併や商号変更の証明のための商業登記簿謄本等を自分で取得して集め、それに時間がかかったとの記事も目にしましたが、今回は事前通知のために多少の時間はかかりましたが手続き自体は簡単にできたように思います。みずほ銀行秋田支店の対応もすごく丁寧でした。

費用は、登録免許税(不動産3個で3,000円)とみずほ銀行手数料実費(5,400円)を除いて約2.7万円でした(みずほ銀行との手続き代行料等を含んでいます。)。