相続登記をせずにそのままにしておくとどうなりますか?

Q:
夫が亡くなり相続人である私と夫の弟との間で遺産分割協議を行い、その結果、夫の名義の不動産は私の名義にすることになりました。現在多忙で手続をする暇がありません。落ち着くまで所有権移転登記(相続登記)をせずにもうしばらくこのままにしておくと何か不都合はありますか?

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A:
民法には次のような規定があります([]内は当事務所による補足です。)。

第177条 不動産の物権[所有権など]の得喪及び変更は、不動産登記法その他登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者[差押債権者、強制執行における買受人、二重譲渡の譲受人、抵当権者など]に対抗すること[自分が権利者だと主張すること]ができない。

第899条の2 相続による権利[所有権など]の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条[法定相続分]及び第901条[代襲相続人の相続分]の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他対抗要件を備えなければ、第三者[差押債権者、強制執行における買受人、二重譲渡の譲受人、抵当権者など]に対抗すること[自分が権利者だと主張すること]ができない。

遺産分割協議による所有権移転登記(相続登記)をしてあなたの名義にしておかないと、例えば、相続人であるご主人の弟に多額の借金があり、その弟の債権者が法定相続分での所有権移転登記(相続登記、持分はあなたが3/4、ご主人の弟が1/4)を代位により行い、ご主人の弟の持分1/4を仮押さえした場合(仮差押えの登記がなされます。)、あなたは遺産分割によって自分が先にその持分を取得したのだから仮差押えの登記はおかしいと主張することができなくなります。要するに登記は早い者勝ちなのです。

また、ご主人の弟が遺産分割協議書に実印を押印しないまま亡くなってしまった場合は、その弟の妻と子供の全員から押印してもらわないと所有権移転登記(相続登記)をすることができなくなります。

解決策:
被相続人が亡くなったらずぐに遺産分割協議を行い、その旨の所有権移転登記(相続登記)を申請するべきです。

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